冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う



他人の感情の機微や行為を敏感に察知し、自分の出方を考える。

子供らしい天真爛漫さと引き換えに得たのは大人びた計算ずくの笑顔だった。

そして、そんな自分を好きになれず悩み、多感な時期を涙しながら過ごした。

誰よりも私に寄り添い愛情を注いでくれた彩也子さんが、私の感情の揺れに気付かないわけがない。

私が不要なことで思い悩まないよう、敢えて明るい言葉で紬さんとのことを考えるように促してくれたと思う。

私の幸せを第一に考えてくれる彩也子さんに、どう言葉を重ねても感謝の気持ちを伝えきれないけれど。

「……紬さんとの未来は、どうにかする。とりあえず、優しいし」

彩也子さんが安心してくれるように呟いた。






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