光のもとでⅡ
「……ゴールデンウィーク?」
『うん』
「家族で旅行に行く予定はあるけれど……でも、四日五日は地元にいるよ」
『その日、運動公園で弓道の試合があるんだけど』
「うん、知ってる」
『五日、少し時間もらえないかなっ? 試合を見にきてほしいのと、試合のあとに少し話したいっ』
「うん、大丈夫。鎌田くんも弓道の試合に出るのね?」
『そうなんだ。地区大会の決勝まで残ることができて……。場所は幸倉運動公園だから』
「うん、応援に行くね。がんばってね」
 それだけを話すと、鎌田くんは「突然電話してごめんっ」とすぐに通話を切った。
「……鎌田くん、どうしたのかな?」
 そうは思うものの、ようやく鎌田くんに会えるんだ、という気持ちのほうが上回る。
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