光のもとでⅡ
「……こんなところか?」
 今までこれほど内容の詰まったメールをしたことはない。
 これに夕飯の写真とハナの写真を添えて――。
 ふと先の母さんの言葉を思い出し、玄関にあった沈丁花の写真を撮りに下りた。下りたついでにボンゴレのレシピノートも借りてくる。
 ハナの写真にはハナのプロフィールを。夕飯の写真にはレシピを。沈丁花の写真には、香りの感想。これだけ書いてあれば十分だろう。
 俺はメール画面を起動し、翠宛てにそれらを送った。直後、
「司、お風呂にお湯が入ったわ」
 母さんが部屋にやってきた。
「母さん、レシピ帳ありがとう」
 ノートを手渡すと、
「どういたしまして。……あら、それなぁに?」
 母さんが覗き込んだのは、メールの下書きに使ったメモ帳だった。
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