光のもとでⅡ
 今まで見てきた中では、飛鳥ちゃんや佐野くん、香乃子ちゃんが身近な例だ。
 三人とも相手の気持ちを拒絶するまでのことはしていなかったように思うし、きちんと「友人」の間柄を維持していたように思う。
 海斗くんは不安に思ったこがかあるのかな……。
「どう? 当たり?」
 秋斗さんに顔を覗き込まれて小さく頷いた。
「でも、ごめんね。俺はすべてを拒絶できない翠葉ちゃんに付け込むし、それを不安に思っている司のことなんてまったく気にしないよ。俺は翠葉ちゃんが好きだからね」
 秋斗さんの真っ直ぐな眼差しと言葉に躊躇する。躊躇して視線をさまよわせていたら、両手を掴まれ、しっかりと視線まで捕まった。
「翠葉ちゃんも俺と同じでいいんじゃないかな?」
「え……?」
「翠葉ちゃんは全力で司を好きでいればいい。ただそれだけ。俺の気持ちを受け止めようとか、そういうことは何も考えなくていいよ。俺は勝手に翠葉ちゃんを好きでいるから。……さすがに、『迷惑です』とまで言われたら考えるけど、翠葉ちゃんがその言葉を使いたくないのなら、無理して使う必要はないし、俺も言われないに越したことはない。君は少しくらいずるくなっても大丈夫だよ」
 そう言って笑われた。
 こんな言葉に救われてしまうからだめなのに、それでもやっぱり秋斗さんを完全に拒絶することはできないのだ。
 どうしたら――どうしたらツカサの不安を取り除けるのだろう。
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