光のもとでⅡ
 入学式の準備は昼過ぎには終わる予定だった。ということは、翠は弁当を持ってきてはいないだろう。
 とくに確認するでもなく食堂で学食を買って図書室へ戻り、かばんから弁当箱を取り出すと、
「両方食べるの?」
 びっくりした目が俺を見ていた。
「まさか……。翠は今日弁当持ってきてないだろ?」
「うん」
「弁当は翠が食べていい」
「えっ……もしかしてそのために学食でオーダーしたの?」
「そうだけど……」
 それ以外に何があると……?
「言ってくれれば良かったのにっ。私、まだお腹空いてないし大丈夫だったのに」
「……もう一時半。お腹が空いてなくても何か食べるべき」
「でも……私、これ全部は食べられないよ?」
「言われなくてもわかってる。食べられる分だけ食べればいい。残した分は俺が食べる」
「……ありがとう」
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