光のもとでⅡ
 順調に競技が進み、午前中最後の種目を迎えた。
 騎馬戦は三学年男子全員参加。
 こちらはあらかじめくじ引きで決まっていたトーナメントをもとに進められる。
 組が七つと奇数のため、一番いいくじを引いた組はシード権を獲得できるのだ。その組こそが赤組だった。
 今はグラウンドをふたつに仕切り、残りの六組が対戦すべく準備に入っている。
 トーナメントを確認してからグラウンドへ視線を向けると、向かって左側のトラックに人が群がっていた。
 人、イコール、女子……。
 応援に回る女子は当然自分の組を応援するものだと思っていたけれど、どうやら違うようだ。
 どちらのコートにも応援する女子はいるものの、女子の大半は黒組対青組のコートに集まっている。
 球技大会でも好きな人を応援する傾向が強かったけれど、紫苑祭でもそれは変わらないらしい。
 もし、赤組と黒組が対戦することになったなら、海斗くんと飛翔くん、ツカサと朝陽先輩が揃う試合になる。そんなことになろうものならますますもって応援に熱が入るのではないだろうか。
 想像ができるだけに、
「……これは男子の反感を買っても仕方ないかな」
 ツカサや海斗くんたちを遠くに見ながら苦笑を漏らし、私は今までの集計にミスがないかの確認を始めた。
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