光のもとでⅡ
 数回の合戦を見守ると、さっき危惧したとおりの決勝戦となった。つまり、赤組対黒組。
 コートの周りは女子一色。
 私は変わらず本部からその様子を見ていた。
『位置について――用意』
 パンッ――。
 戦いが始まった瞬間、海斗くんの騎馬と飛翔くんの騎馬、風間先輩の騎馬がツカサの騎馬へと向かって走り出し、衝突する寸でのところで止まったかと思うと、ツカサに向けて三方向から手が伸ばされた。
 ツカサはひるまず応戦したけれど、さすがにすべての手を防ぐことはできず、あっという間にハチマキを取られてしまう。
『おおっとっ! これは藤宮先輩意表をつかれた感じでしょうか。黒組の団長は早くも敗退です! 風間先輩の進撃が止まらないっ! 誰か彼を止められないのかっ!? おおっ!? 風間先輩も三方向から囲まれた! これはやはり逃げられないのかっ――』
 飛鳥ちゃんの軽快な実況中継を聞きながら、騎馬戦の最終決戦は赤組の勝利に終わった。
 騎馬戦まで集計した得点表を放送部へ渡すと、午前の部が終わったことを告げるアナウンスと共に、得点経過がアナウンスされた。
『騎馬戦を持ちまして、午前の競技を終了いたします。それではっ、途中経過を発表いたします! まずは~、今の得点に徒競走の結果を追加しますっ! 一位から順に、黒組、青組、赤組、桃組、紫組、白組、黄組。そしてぇ~、準備期間に発生した点を反映させるとぉっ!? 一位はその座を譲らず黒組! 次位は繰り上がって赤組っ、青組、紫組、桃組、白組、黄組っ! 白組と黄組はどんぐりの背比べ。午後の競技もがんばっていきましょうっ! 今から六十分間の休憩です。一時までにはグラウンドへ戻ってくるようお願いいたします。も、ち、ろ、ん、ひとりでも遅れた組は減点が課せられますのでご注意あれ!』
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