全部、抱きしめて
意味深なことを言った直也はあたしを押し倒し返した。

そして、あとはもう体のあらゆる部分を攻められ快感の渦に巻き込まれてしまった。

つき合い始めてからのセックスが、より濃厚になったのはあたしの気のせいではないと思う。

気持ちが通じ合っている分、あたしと直也はより一層深く求めるようになったのだ。

直也と肌を触れ合わせる度、あたしはいつも直也の背中に爪を立てた。

そして、体のどこかにキスマークをつける。

“そんなことしなくても、オレは由里子以外の女の裸なんて見ないし見せない”

そんなことを言う直也。

もちろん、疑っているわけではない。
だけど、やっぱり怖くなる。

明日、直也に好きな人が出来たらどうしようとか。

あたしの体に飽きてしまったらどうしようとか。
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