全部、抱きしめて




数日後。今日は金曜日。
あたしは紗江と会って、もつ鍋を食べているところ。

ちなみに、直也は長谷部さんと飲みに出かけた。

久々に2人が別々に過ごす夜。


「つまり幸せ過ぎて怖いってこと?」

「そいうことになるのかな?」

あたしはもつ鍋の具材をお皿に盛りながら答える。

ついさっきまで、直也と順調につき合ってはいるけど、たまにものすごい不安に駆られる。そんな話をしていたんだ。

「まぁ。今までの由里子の歴代彼氏では直也さんって何もかもがトップだもんね〜」

「歴代彼氏って変な言い方やめてよ」

「ははは。ごめんごめん」

紗江は笑ってごまかしている。



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