恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②
必死な思いで、真琴がそう言ったにもかかわらず、
「あっはっはっは…!」
と、晶の笑い声が聞こえてくる。
そして、とうとう、晶が引き戸を大きく開けて、入ってきてしまった。
「○☆△*%♨︎〜〜〜〜〜!!」
真琴は声にならない叫びを上げて、固まってしまう。
「心配することはない。私は女だ」
「………!!?」
晶の落ち着いた声を聞いて、真琴は岩陰からもう一度、そっと覗いてみる。
一糸まとわず、恥じらうことなく、仁王立ちする晶の姿に、真琴の目が釘付けになる。
……確かに、男ではなかった。
女にしては、膨らみがささやかすぎるけれども、……晶は正真正銘の女だった。
「私……!!ごめんなさいっ!!男の人と間違えるなんて!!」
先ほどとは違った意味で、真琴の顔が真っ赤になる。
女性を男性だと思うなんて、取り返しのつかないような失態だった。あまりにも申し訳なくて、その場で土下座をしたいくらいの気持ちになる。
「私を男だと思ったのは、君だけじゃない。この名前のせいもあって、むしろ初対面で女だと思われることは珍しいよ」
掛け湯をして湯船に浸かりながら、晶は真琴に笑いかけた。
その笑顔たるや、女にしておくのはもったいないほどで、真琴は見惚れてしまって、声も出せなくなる。
これで“女”というのならば、まるで宝塚の男役スターだ。“古庄晶”という名前も、心なしかハマっている。