恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②

稲刈り





「…おい!このまま帰れると思ったら、大間違いだ。お前にはやってもらわないといけないことがある!」


いきなり気道を塞がれ、古庄は激しく咳き込みながら、乱暴な姉を振り返った。



「まだ、稲刈りが残ってる。あれを手伝ってもらうぞ!」


「はあ?!」


古庄の表情は不服そうに歪んだが、真琴の目はその一瞬に輝いた。



「…稲刈り!?私、やってみたいです…!!」



どうも…、血を分けている古庄よりも嫁の真琴の方が、古庄家の人間と波長が合うようである…。


真琴もそう言い出して、古庄もしぶしぶ稲刈りをすることになった。と言うより、初めからこの晶には逆らえないのだが…。




晶に連れて行かれたところは、昨日晶が稲刈りをしていたところとはまた別の、山あいにある田んぼだった。


真琴は、昨日と同じく母親から借りた作業着に身を包み、初めての体験にウキウキして、晶の後を跳ねるように付いて行く。






「…何で今頃、稲刈りなんかしてるんだよ。普通はもうとっくに終わってる頃だろ?」


古庄の質問に、晶がしたり顔で返してきた。





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