恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②

 
 

「だったら、俺といる時に泣けばいい…」


こうやって抱きしめて、すべてを受け止めるつもりで、古庄は真琴を抱く腕に力を込めた。


静香の辛さを思いやって、その辛さ以上に心を痛める真琴が、愛しくてたまらなかった。


真琴の心の在り様を思うと、古庄の胸まで切なく痛んでくる。




「君が好きだ…」



何とかして真琴の心の痛みを癒したいと、自分の真琴への深い想いを惜しみなく注ぎ込むように、古庄は囁いた。


その古庄の想いが体中に沁みわたり、心が震えて、真琴の涙はもっと溢れてくる。


木々に囲まれたカフェの駐車場。白昼ということも忘れて、古庄はただ真琴をきつく抱きしめ続けた。










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