天使が舞い降りる。
『奈々子の彼氏の顔……見たかったなあ』
そうつぶやいた瞬間、周りがピカッと光り出した。いや、正確には周りではなく、空が光ったのだ。
まるで、何百台のカメラのフラッシュを、一気に焚いたような…
な……なんだったんだろう、今のは……。
反射的に思いっきり閉じていた目をゆっくりと開ける。
途端、顔を上げて映り込んだ光景に……私は息を呑んだ。
「へ……?」
私…夢でも見てんのかな?
てゆーか、夢じゃなきゃありえない。
空から、
人間が降ってくるなんて…
ふわふわ、ふわふわ…
固まって動けないでいる間にも、目の前へと着地しようとしているのは…
どう見ても、自分とさほど歳の変わらない男の子。