ルージュのキスは恋の始まり
 監督の怒号にびくりとしながら、泣くのを試みるが涙なんて一滴も出てこない。

 焦れば焦るほど息が苦しくなる。

「あっ・・・・」

 ヤバイって思った。

 またこんなところで過呼吸なんて絶対に駄目!

 でも、気だけ焦ってまた目眩がしてきた。

 こんなに空気を吸ってるのに酸素が足りない。

「美優!」

 私の異変に気づいた玲王が私に駆け寄る。

 また私を抱き締めて、耳元で優しく彼は言った。

「この前と同じだ。1回呼吸を止めろ」 

 彼の声に従って息を止める。

「今度はゆっくり吐け」

 私の様子を見ながら玲王が言う。

 前に一度玲王に助けられたので、素直に彼の指示に従えた。

「今度はゆっくり吸え」
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