ルージュのキスは恋の始まり
 彼にとっては全部が演技だったのか・・・・。

 あんなに笑って過ごした日々も・・・・。

 切なくて胸が痛い。

 今の私はぼろ雑巾みたいにボロボロだ。

 泣き崩れそうになった時、玲王に腕を捕まれ振り向かせられた。

「待てよ」

 玲王が私の顎に手をかけ、私の唇に口付ける。

 私の冷えきった心を温めてくれるような熱のこもったキス。

 どれくらいキスをしていたのだろう。

 私が少し落ち着いたのがわかったのか、玲王は私を強く抱き締めた。

 雨はとても冷たいのに、彼の腕の中はとても温かくて・・・・。

 監督の声がかかっても私はしばらく玲王のスーツをぎゅっと掴んだまま離れなかった。
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