ルージュのキスは恋の始まり
「大河さん、私、大トロ10貫に、中トロ10貫に、イクラ10貫に・・・・」

「どんだけ食べんの?」

「一週間分食い溜めしないと」

「・・・・子供か。お腹痛くなるでしょ」

「だって、お腹空いたら動けませんよ」

「じゃあさ、百合ちゃんの分もお金出すから、毎日お弁当作ってきてよ」

「え?私の分まで良いんですか?」

「その代わりいちご味とかチョコ味とか変な味付けにしないでよ」

「・・・・」

 百合ちゃんが無言になる。

 冗談で言ったつもりだが、彼女は本当にやるつもりだったらしい。

「大丈夫?出来る?それからお金は計画的に使うんだよ」

 俺が財布から1万円札を出すと、百合ちゃんの目の色が変わった。
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