ルージュのキスは恋の始まり
「この暴力男!」

 歩さんが佐藤に掴みかかろうとした時、玲王の乗ってる車が現れて急停車し、玲王が飛び出すように車から出てきた。

「このストーカー男が」

 玲王はそう吐き捨てると、佐藤を取り押さえて私を解放する。

「歩、チンタラしてんな」

 玲王がキッと歩さんを睨み付ける。

「あんたの見せ場作ってあげたのよ。感謝しなさい」

「お前、そんな格好だから男になりきれないんだよ」

「うるせー。男って言うな」

 歩さんがドスの利いた声で玲王を怒鳴る。

 佐藤は玲王の突然の登場に驚いていたが、ニタリと笑った。

 あっ!

 佐藤はまだ手にカミソリを持っている。

 玲王や歩さんは多分それに気づいていないはずだ。
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