ルージュのキスは恋の始まり
「今度こそ警察に突き出してやる」 

 玲王が佐藤の両手を上げさせて拘束しようとしたその刹那、佐藤が暴れだした。

 玲王の喉に向かって振り上げられる佐藤の手。

「玲王!」

 気づけば勝手に体が動いて、カミソリを持った佐藤の手を両手で押さえていた。

 結果がどうなるとか考えなかった。

 ただ、本能的に玲王が危ないって思っただけで・・・・。

 時が止まったように思えた。

「美優!」 

 気づけば玲王がそう叫んでいて・・・・。

 私の手からはポタポタと血が滴ってた。

 玲王が私の手をそっとつかんで手の怪我の状態を確認する。

 右の手のひらが3センチほどぱっくりと切れていた。

 実際に傷を見ると、身体がふらふらした。

 悲痛な表情でそれを見ると、玲王はポケットからハンカチを取り出してすぐに私の傷口に当てる。
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