ルージュのキスは恋の始まり
24、無機質な家 ー 玲王side
 客先での打ち合わせが終わると、俺のスマホがブルブルと震えた。

 見ると大河からの着信。

 珍しいな。

 だが、こういう時はきっと美優がらみだろう。

 すぐに電話に出る。

「どうした?」 

『今大丈夫?ちょっとトラブル発生』

「何があった?」

『CMに出演した事になってる例のモデルの子が、自分はあのCMに出演してないって自分で暴露しちゃって、その記事が3日後の週刊誌に載るみたいなんだけど、そっちでどうにか出来ない?』

 馬鹿な女だな。

 大河の言葉に思わず舌打ちする。

「わかった。こっちで何とかしてみよう」

『ごめん。俺これから撮影なんだ。何かあったら連絡して。美優の事頼むよ』
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