ルージュのキスは恋の始まり
「・・・・」

 こいつ・・・・。

 俺が痛みを堪えていると、大河が俺に耳打ちしてきた。

「来年あんたパパだよ。早く行ってあげれば?」

 クスッと笑うと大河が俺の背中を押す。

「・・・・」

 来年パパ・・・・。

 まさか・・本当に?

 俺が大河を見ると、彼は目で頷いた。

「美優の口から聞きなよ。早く行かないとまた逃げられるよ」

 もう逃げられるわけにはいかない。

 走ってホテルを出ようとすると、予定通り遅れてやって来たじじいと出くわした。

 じじいの後ろには片岡・・卓人もいる。

「おい、主役がどこに行く?」

 じじいが俺を呼び止める。
< 330 / 391 >

この作品をシェア

pagetop