ルージュのキスは恋の始まり
「今度って・・・・。大河さん年末渡米していつ日本に戻るかわからないじゃないですか?きっと、大河さんもっともっとビッグになって私の事なんか忘れてますよ」

 百合ちゃんがちょっと淋しそうに笑う。

 それから、ずっと無言のまま百合ちゃんは黙々と俺の荷造りを手伝ってくれた。

 注意深く彼女を観察していると、彼女の目が段々潤んできて今にも泣きそうだ。

「俺がいなくなると淋しい?」

 百合ちゃんの頬に触れ、彼女と目を合わせる。

「そ、そりゃあ淋しいですよ。だって就職して最初に担当したのが大河さんだったんですから」

「それだけ?」

「あとは・・大河さんで妄想出来なくなっちゃうのが淋しいです。それだけです。でも、他に格好いいアイドルとかの担当になったら、その人で妄想するからいいんです!」

 最後はキレ気味に言って百合ちゃんがそっぽを向く。
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