ルージュのキスは恋の始まり
「あれ・・この指輪・・大河さんが?」

 ようやく指輪の存在に気づいた百合ちゃんが、俺と指輪を交互に見る。

「撮影でもらったんだけど、俺はつけられないから百合ちゃんにあげるよ。ピンクのハート形のダイヤで可愛いよ。男避けになるからつけときなよ」
 
「え?でも・・・こんな高価なもの」

 百合ちゃんが上目遣いに俺をじっと見つめる。

「百合ちゃんがもらってくれないとごみ箱行きだけど」 

 俺が意地悪く言うと、百合ちゃんが指輪に大事そうに手を触れた。

 少なくとも気に入ってくれたらしい。

 ピンクダイヤを百合ちゃんのために選んだというのは内緒だ。
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