ルージュのキスは恋の始まり
「そう言うことなら有り難く頂きますね」

 百合ちゃんがえへへと声に出して笑う。

「じゃあ、お腹空いたし、なんか食べようか?レストラン閉まっちゃったけど、何食べたい?」

「少しここから歩きますけど、ハンバーガー食べませんか?」

「・・・百合ちゃんって本当に欲がないね」

 それから、はぐれると面倒だからと言って嫌がる百合ちゃんの手を無理矢理つかんで街を歩く。

 クリスマスのイルミネーションが綺麗で、百合ちゃんは目を輝かせて楽しんでいた。

 彼女と一緒にハンバーガーを食べていると、周囲の視線をちらほら感じた。

 伊達眼鏡をしてはいるが、高橋大河とバレたのだろう。

 今日中に俺達の写真や映像がネットに出回るかもしれない。

 だが、今の俺にはむしろ好都合。

 百合ちゃんはハンバーガーを食べるのに夢中で、自分も撮られていることに気づかない。
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