ルージュのキスは恋の始まり
 俺は優しく微笑する。

「でもさ、リアルな人の方が触れられていいと思わない?」

 そう言って俺は百合ちゃんの両肩をつかんでキスをすると、彼女をぎゅっと抱き締めた。

「大河さん!ふざけすぎ!」

 百合ちゃんが俺の腕の中で暴れる。

「ふざけてないよ。こうして触れて互いの熱が伝わって・・ほら百合ちゃんも心臓がバクバクいってる。逃げないで」

 俺は百合ちゃんの耳元で甘く囁く。

 すると、彼女は大人しくなった。

 以前ならすぐに逃げられてた。

「でも・・・怖い」

 百合ちゃんがうつ向きながらポツリと呟く。

「自分が溺れそうだから?」

「・・・・」

「百合ちゃんも殻から出ておいでよ。こうやって触れ合わないとわからない事だってあるんだよ。百合ちゃんっていい匂いするよね?」
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