ルージュのキスは恋の始まり
 じゃあ、誰?

 驚愕に震えながら目を開けると、その男と目があった。 

 男が口角を上げてニヤリとする。

 親友の婚約者だった男だ。

「さ・・触らないで!」

 私が大声で叫ぶと、男は私の口にハンカチを押し込んで口を塞いだ。

 男は私に馬乗りになると、私のパジャマのボタンに触れる。

 私が力の限り暴れると、男は残忍な笑みを浮かべた。

「無駄だよ」

 上から一つ一つゆっくり時間をかけて男はボタンを外していく。

 私には拷問に思えるような時間だった。

 なぜ?

 どうしてここにこの男がいるの?

 頭に浮かぶのは疑問とそして、絶望。

 大河はもう別のマンションに住んでるし、ここには帰ってこない。
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