ルージュのキスは恋の始まり
6、彼の優しさ ー 美優side
 温かくて優しい手。

 私の顔がすっぽり収まるほど大きい。

 この手に安心してぐっすり眠れたけど・・・・誰の手?

 大河のじゃない。

 大河の左手の手の平にはほくろがあるし・・・・。

「え?手?」

 目がバチッと覚めて飛び起きると、目の前には忌々しい顔。

 龍神玲王が私に左腕を預けたまましゃがみ込んで寝ている。

「何でこうなったの?」

 真っ青になりながらまずは自分の服を確認する。

 衣服の乱れはない。

 龍神社長もスーツを着ているし、何もされてない・・と思う。

 多分・・・・。

 でも、何故か私はソファで寝ていて・・・・。

 この部屋の雰囲気からすると社長室だろうか?
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