ルージュのキスは恋の始まり
「お前は早速敵を作ったようだぞ」

 橘美優の頬にそっと触れる。

「う~ん・・・たい・が・・まだ眠らせて」

 彼女の寝言に一瞬手が止まる。

 橘美優は俺の手をつかむと、また深い眠りに入っていく。

 恋人がいるのか?

 大河って言ったか?

 まさか・・・・。

 まさか・・・な。

 俺の手に頬擦りしながら安心したように眠る彼女を見て、俺は苦く舌打ちした。
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