ルージュのキスは恋の始まり
「ったく、お前は高校生か。悪趣味だな。すぐに削除しろよ」

 苦虫を噛み潰したような顔で龍神社長が片岡さんを見る。

 この2人、親しそうなんだけどどういう関係なんだろう。

 秘書かと思ったんだけど、ただの秘書ではないようだ。

「今度あなたを脅す時のネタにしますよ。あなたは本当に見かけに寄らずお人好しですね。寝てる時間含めて7時間も橘さんに腕貸してるなんて」

「「・・・・」」

「良いもの見せてもらったんで、今日はあなたの代わりに仕事しておきましたよ。でも、あなたの決裁が必要なものは残しましたけどね」

 片岡さんが書類の束を龍神社長に手渡す。

「だったら起こせよ」

 文句を言いながらも受け取った書類にさっと目を通すと、龍神社長は書類を放り投げた。

「会社を私物化し過ぎだろ?会議もないのにファーストクラスでベガス出張?ふざけんな。ほんと馬鹿な役員どもだな」
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