ルージュのキスは恋の始まり
 地下の駐車場に着くと、すでに龍神社長は車に乗っていた。

 なぜか助手席に・・・・。

 普通、偉い人って後部座席に乗るんじゃない?

 どうして?

 私が疑問に思いながら車に乗り込むと、龍神社長が私に声をかける。

「具合が悪くなったら言え。それで、家はどこだ?」

「麻布の方です。あのう・・・このジャケットは?」

 私が戸惑いながら聞くと、ぶっきらぼうな答えが返ってきた。

「寒かったらかけてろ。必要なければその辺に置いとけ」

 これがこの人の優しさなのだろうか?

 助手席に座ったのも?

 もしかして、私の事情・・何か感づいてる?

 私が考え込んでるうちに車が動きだし、龍神社長はスマホをいじり始めた。

 聞こえてくるのは、聞き覚えのある声。

 何でこの人が大河のドラマなんか観てるの。
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