いつだってそこには君がいた。



まるで夢の中にいるみたい。


ーーヒューー、ドン!!


大きな音が鳴り響くと、夜空の中にカラフルな花が咲く。とても綺麗な花火。うっとりしてしまう。


金魚すくいをやめて、高橋くんとふたりで立ち上がって、並んでその場で上を見る。



「なあ、日高」


「うん?」


「俺、頑張るから」


「……?」


「絶対一緒の高校に行こうな」



上を向いたまま、高橋くんが力強くそう言った。
巾着の紐を持つ手に力を込めて「うん、頑張ろうね」と返す。


よかった、いつもの高橋くんだ。


弱々しい高橋くんを見て心配していたけれど、やっぱり高橋くんは強い人だね。
不安さえもはねのけて、笑うのだから。


でもたまにはこの前のように弱音も吐いていいんだよ?


私にできることがあるとするなら、話を聞くことしかできないから。
また付き合って欲しくなったら言って欲しい。


いくらでも一緒に夜更かしするから。



「ーーッ」


「え?なに?」



高橋くんがなにか言ったように聞こえたのだけれど、花火の音にかき消されてなんと言ったのか聞こえなかった。


首をかしげるけれど、高橋くんは「なんでもねーよ!」と笑うだけで、教えてはくれない。


ぷくっと頬を膨らませても潰されてしまった。
触れられたほっぺが、熱くなる。


もう、こういうところ、本当に困るよ。ますます好きになっちゃうんだから。


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