いつだってそこには君がいた。
そのまま声を出して笑った。嬉しすぎて、笑わずにはいられなかった。
「今朝も会ったよ?」
「あれだけじゃ元気かどうかなんてわかんねぇーよ」
「ふふふっ……。でも私も高橋くんに会いたかったから、嬉しい」
素直に言葉にすることの方が恥ずかしいって想いよりも先に言葉が先に出た。
高橋くんの方を見ると大きな目をしばたかせていて、驚いている様子。
それでもいい、本当のことだから。
伝わってほしい。私が君に会いたいと思っていたことを、ストレートに。
心が緩んでいる。オープンになりすぎている。それがわかるのだけど、それでいいのだと軽く自暴自棄のような感覚。
高橋くんに「好き」だと言いたいけれど、私には欠片の勇気もないから言えない。だけれど、言葉や態度の端々から滲み出て伝わってしまえばいいってそんな風に思ってしまう。
意気地なしの、企み。
それでも君は気づかずに無邪気に「以心伝心!」と笑うのだった。
それが高橋くんだ。
こちらがいくら下心を持って接していても、その汚れの知らない笑顔で、無垢な心のままに生きている。伝わってくる。
そんなところが好きで、たまらなくなる。
「あれ、優梨ちゃんこんなところにいたのぉ」
間延びしたその声に反応すると、雪菜ちゃんが長い髪の毛をふわふわ揺らしながら歩いて来た。
私のそばで立ち止まると高橋くんに目をやって「あれ、もしや噂の高橋くん?」と腰を曲げながら笑った。