元殺し屋と、殺し屋
高校の校則を読んだ時、ネックレスなどのアクセサリーは駄目だって書いてあったから、これはつけず、お守りとして持って行く。
さて、行くか。
私は家を出た。
ちなみに私の家は、氷さんがくれたもの。
10階建てマンションの真ん中・5階。
よくこの家で、有咲とお泊りしたなぁ。
有咲も私と同い年で。
中学へは滅多に通わず、殺し屋になるべく訓練を受けていた。
有咲は私と違い、高校へ行ってみたいと思っていた人。
・・・一緒に行きたかったなぁ。
ここから高校までは約30分。
真新しいスクール鞄を肩に掛け直し、私は学校へ向かう。
思えば。
こんな明るい街を通るのは、何年振りだろう。
まだ、両親が生きていた頃かな。
あの頃は裏の世界なんて知らなかったし。
両親が死んでからは、朝の街なんて出掛けたことなかった。
毎夜喧嘩して帰るから、朝は眠くて起きれなかった。
昼夜逆転生活って感じ。
殺し屋をしていた時も、そう。
朝の街ではなく、夜の街だったから。