いまさら、私たち。

せつない帰り道

2人で手を繋いで歩く、帰り道。話も盛り上がって、すごく楽しくて。

いつも色んな子にむけられている優しさを、「彼女」という特権で独占できるこの時間はとっても幸せ。

だけど幸せの時間は、すぐに終わりを迎えてしまう。毎日一緒に帰るけど、家が近づいてくる度に込み上げる寂しさは日に日に増してゆく。

政美「じゃ、私こっちだから…」
蓮「家の前まで送ろうか?」
政美「…ううん、大丈夫。」

本当は、少しでも長く一緒にいたいけど…お母さんに見られたりしたら恥ずかしいし。

蓮「…そっか、じゃあね。」

政美「うん、また明日。」

せつない想いを募らせながら、私は蓮くんの背中が小さくなるまで見送った…
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