いまさら、私たち。

蓮、どうして私を選んでくれたの?

次の日のお昼。

桃花「えーっ、まだ手しか繋いでないのー?」

政美「うっ…うん…」

この子は、佐久間桃花(さくまももか)。私の幼馴染。
昔は私と同じ地味子だったのに中学三年あたりから急に垢抜けて、今やかなりモテる部類の女子。
でも友達想いなとことかは、幼稚園の頃から全然変わってなくて…

政美「やっぱり、付き合いって一ヶ月なのにキッ…キスもしないとか、おかしいのかなあ?」

桃花「うん、そろそろ、ちょっとね…」

政美「…うーん…そっか…私たち、おかしいのかなあ…」

桃花「真面目すぎるんだよなあ、蓮くんって。イケメンだし良い人そうだけど童貞はいやだわー」

政美「…どっ…ゲホッゴホッ」
桃花が変なことを言うから、私は思わずむせてしまう。

桃花「あーもう、むせちゃって。大丈夫?」

政美「なっ…何言うの桃花‼︎」

桃花「だってさあ、2人っとも奥手すぎて見ててイライラすんだよね‼︎」

政美「…だって…私たち、学生なんだよ⁈学業が本分の身なんだから、そんなふしだら行為をしちゃいけないよ‼︎」

桃花「昭和時代かよ‼︎あんた本当に平成生まれ?」

政美「だって…」

桃花「政美は色白だし華奢だし、女の子としての魅力に溢れてるんだから。もったいないよ、幸せな恋しないと。」

政美「私が…女の子らしい…?」

そんなわけ、ないじゃん。私、知ってるんだから。学年中の女子に、『なんであんなブスが蓮くんの彼女なんだよ』って、陰口叩かれてること。



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