大好きの気持ち
「え…」
「あれ、違うの?
蛍、いつも『みんなのこと大好きです!』ってオーラだしまくってるじゃん?」
ケラケラ笑いながら言われた美凪の言葉は、なぜかわたしの胸に突き刺さった。
「あっ、それか、もしかしてだけどさ!
蛍もついに恋に目覚めちゃったみたいな!?」
きらきらとした瞳をむけてくる美凪に向かって、わたしは笑った。
「まさか、そんなことないよ!」
「え―? てっきりそうなのかな、なんて思ったのに!」
「残念でした!
……それにね、わたしは美凪も幸輝も悠も、みーんな同じくらい大好きだからさ!
恋はまだまだ先、かなっ」
ちょっとおどけたように言うと、美凪が笑う。
わたしも笑う。
ちょうどジュースを買い終えて戻ってきた幸輝と悠が、わたしたちを見て笑う。
それだけで、今は十分。
みんなでこうして笑いあっているだけで、わたしは十分幸せなの。
だから、4人の関係を壊したくない。
そう思うのはだめなことなのかな?