裏腹な彼との恋愛設計図
「こっちから誰かがヘルプに行くなんてかなり久々じゃない? 寂しくなるわねぇ」

「少しの間だけですから。俺も早く戻ってきたいんで頑張ります」


眉を下げる瀬川さんに、微笑み返す柊さん。

すると、柊さんの後ろのデスクに座る古賀さんが、足を組みながら意地悪そうに口の端を上げる。


「誰かさんは柊がいなくなるのはチャンスだろうけどな」

「ちょい、古賀さん! そーいうこと言わない!」


隣で怒る矢城くんだけど、そう言われればそうかと納得してしまう私。

ここ最近、矢城くんからアプローチはされていないけれど、『あの金井翔吾って人は何なんすか!?』と尋問された。

どうやら翔吾くんに、『紗羽は諦めろ』みたいなことを言われたのだとか……。

まったく、勝手に波風を立てないでほしい。


私や柊さんに向かって、バツが悪そうにぺこりと頭を下げる矢城くんに苦笑していると。

「あ、そうだ!」と、絵梨子さんが何か閃いたように人差し指を立てた。


「隼人くんが行っちゃう前に、皆でバーベキューでもやりましょーよ」

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