裏腹な彼との恋愛設計図
言い合いながらも楽しそうな絵梨子さんと古賀さんは、同い年で何気に仲が良い。

まだ仲間入りしたばっかりの私は内部事情をよくわかっていないのだけど。

たぶん矢城くんの言う通り、古賀さんは絵梨子さんのことが好きなんじゃないかな……と疑っている。


「それで、さっきの続きは? 紗羽ちゃんの高校時代に好きだった人の話」


運ばれてきたビールでもう一度乾杯し直すと、古賀さんが私に話を振った。

そういえば途中だったっけ。でも……


「そんな、私のことなんて知りたいですか? 全然面白くないと思うけど……」

「聞きたいよなぁ、矢城! こいつは紗羽ちゃんのことなら何でも知りたいんだよ」

「っ、ちょっと古賀さん」


私の隣で、矢城くんは動揺するようにビールを吹き出しそうになっている。

私のことなら何でも……って、なんか矢城くんが私に気がありそうな感じに思えちゃうじゃない。


でも入ったばっかりだし、色々話した方がもっと打ち解けられるかな。

別に話したくないわけでもないしね。


何故かニンマリと怪しげな笑みを浮かべる古賀さんと絵梨子さん、そしてほんのり頬を赤らめているように見える矢城くんを不思議に思いつつ、私は口を開いた。

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