裏腹な彼との恋愛設計図
店員さんを呼んで二人のビールとチョリソーを頼むと、日に焼けた手を拭きながら古賀さんがソファーにもたれ掛かった。


「今日はソファー席なんて珍しいな」

「そうそう、偶然空いてたのよ。やっぱりここ雰囲気いいし落ち着くわよね」


絵梨子さんの言う通り、モダンなストライプ柄のブラウンソファーがあるこの個室は、照明もほの暗くてとっても落ち着く。

クッションまで置かれているから、酔っ払ったらここで寝てしまいそうなくらい居心地が良い。


「よかったな、矢城。紗羽ちゃんとくっつけて」


古賀さんがニヤリと口角を上げてそんなことを言う。

あ、またからかってるな。矢城くんは、大抵古賀さんに遊ばれるのよね。

案の定、矢城くんはムスッとした顔をして言い返す。


「何言ってんすか。自分こそ絵梨子さんとイチャイチャしたいくせに」

「え、そうなの? 私汗くさいの嫌いなんだけど」

「アホ! ちゃんとシャワー浴びてきたっつーの!」

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