裏腹な彼との恋愛設計図
私の身体に回す腕の力を少し強め、おでことおでこをくっつけるようにして、彼は言う。


「だから、今言ったことに何の偽りもない。俺はお前が好きだよ」


もう一度“好き”の二文字を聞くことが出来て、ようやく自信が持てた。

十年前も今も、ちゃんと気持ちが通じ合ったんだ──。


「何回も言いますけど、私も好きですから」

「わかってる」


親指で私の涙を拭った彼は、瞳を細めてとろけそうなほど甘い笑みを浮かべた。

そのまま唇を近付け……

ようとして、お互い周りの視線にはたと気付く。


部活か何かの用事で来ていたらしい高校生達が、興味津々で私達を見ている。

そういえば、ここ高校の目の前だった……。

顔を熱くする私に、隼人さんが冷静に一言。


「……羞恥プレイはどう?」

「嫌です!!」


真っ赤になっているだろう顔で断固拒否すると、おかしそうに笑った彼は、私の手を引いて車へと向かった。




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