裏腹な彼との恋愛設計図




「んはぁ~疲れた~……」


午後六時半、定時を三十分過ぎた今、ニュースレターは四分の三は作り終えることが出来た。

椅子に座ったまま大きく伸びをする私に、絵梨子さんが笑いかける。


「お疲れ様。今日はもうそのへんにしておいたら? 明日もまだ少しは時間あるんだし」


郵便屋さんに渡すのは明日の午後。

絵梨子さんの言う通り、残りは明日の午前中に出来なくはないんだけど……。


「んーでも……今日終わらせておいた方が安心だし、もう少しやっていきます」

「本当に? 今日はもう社長達も戻らないし、瀬川さんも私も用事あるから帰るわよ?」

「大丈夫です! たぶんそんな遅くまでかからないだろうから」

「エライわねぇ」

「いえ、手伝ってくれてありがとうございました」


感心するようなため息を漏らした絵梨子さんは、「じゃあ、お先に」と笑顔で手を振り、一階へと下りていった。


柊さんに『甘ったれんな』と言われた手前、中途半端なまま帰るのも嫌だ。一応私にも意地ってものがあるし。

もう何の文句も言われないように、頑張って今日中に終わらせてやる!

< 32 / 280 >

この作品をシェア

pagetop