彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)

案内された店内を見て、自然と息がもれる。





「なにここ!?すっごく素敵~!?」



まさに、感嘆。

一言で言えば、おしゃれ。

ファッションや流行には鈍い方だけど、そんな私でも良いと思うぐらいお店の中は素敵だった。





「お?気に入ったか?」

「は、はい!すごく!」





瑞希お兄ちゃんに言われたわけではないが、好きな人からの問いかけもあって、少し興奮気味に答えた。





「色の配置とか、小物チョイスとか、すごく素晴らしいです!!」


「・・・そうか。」





私の言葉に、ほっとしたように微笑む瑞希お兄ちゃん。

男前のお兄さんはこれにニヤニヤし、綺麗なお兄さんは背を向けた。





「とりあえず、お前、怪我なかったみたいだし・・・・なんか食うか?」

「ええ!?そんな、お構いなく!?」

「カフェ店に呼んでおいて、そうはいくかよ?何飲む?アルコール以外なら出してやる。」





そう言いながら、メニュー表を渡される。

それを見て、また口が勝手に動く。




「ポップで可愛いですね。」



渡され中身をめくりながら、胸がドキドキした。





(こんな風に、好きな人と過ごせるなんてぇ~!!)





「なにがいい?」

「じゃ、じゃあ・・・カプチーノ・・・」

「OK。カプチーノな。」





すごく近い距離で、自然に会話ができるなんて。





「すぐできるから、待ってろよ。」

「はい・・・」


(夢みたい・・・!!)




ポーとなる視界に、お店の時計の針が映る。

時刻は朝日が昇る時間へと変わりつつあったが、どうでもいい。

きっと、シンデレラもこんな気持ちだったのだろうと思っていたら声をかけられた。



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