彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「諦めんなよ、おっさん!」



なぐさめるタクシードライバー仲間とは別に、建設現場帰りらしい若者達が強い口調で言う。



「ああいうのは、くどくど言わずに、ビシッと言えばいいんだよ!」

「見てな!仇取ってやるよ!」



そう言って、車から降りてくるヤンチャ系男子。



「うう・・・今時の若者は頼もしいな~!?」

「任せろって!」



普段は絶対、仲良くしなさそうな組み合わせ。

それが騒音を出している男のおかげで、1つにまとまった。



「コラ!なに笑ってんだテメー!?」

「迷惑条例知らねぇーのか、ボケ!?」



ドスのきいた声で、気合の入った文句を言うが。





「あ~ん?」


ギロッ!!


「「うっ!?」」




若者達の言葉で、大笑いを続けていた男が笑うのをやめた。

同時に、その顔が引き締まる。

ドキツい眼光、殺伐とした殺気を放出した。



「ひっ!?」

「う、わあああ!」



彼らの背筋に、ゾクゾクとした冷たいものが走る。

なにかが這い上がっていく。


ほんの一瞬の間に、それらのダメージを贈って来た大男に――――――




「ヤベッ!!」

「ヤバイヤバい!」



「ええ!?ちょ、お兄ちゃん達!?」

「逃げた!?」


「わはははは!!」




即座に、手におえないと判断する若者達。

同時に、自分達の車へと後ろ歩きで戻る男達。

その様子に、エールを送っていたタクシードライバーやトラック運転手も驚く。



「さっきまでの勢いはどこ行ったんだ!?」


「いや、あのガンのつけ方は普通じゃないだろう!?」

「わしでも逃げるよ・・・・」

「どんだけスゲー眼力だよ!?」



〔★強力な目力で発動★〕
〔★若い大人も何も言えなくなった★〕


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