彼は高嶺のヤンキー様（元ヤン）

◇愛羅武勇（アイラブユー）！これが私の生きる道！

上がるスピード、止まらないドキドキ。

オレンジの光の中を走り抜ける。





「凛、バランスには気をつけろよー？」

「はい！」





単車の後ろに乗る私を気にしながら運転するのは、黒子ファイブ１号さんこと真田瑞希さん！


私の初恋相手で片思いのお方♪


トンネルの中だと、瑞希お兄ちゃんの声は反響して不思議なメロディーのように聞こえる。

ただし、聞えてきたのは彼の声だけではなかった。





「あーあ、けっきょく瑞希の粘り勝ちかー？まぁ、次は俺のケツに凛たん乗せれるからいいけどな～」





そう言って、右側から声をかけてきたのは、黒子ファイブ２号さんである宗方烈司さん。




「れーちゃんの次はあたしよ！凛ちゃん、もう少しだけみーちゃんの後ろで我慢してねー！？」




烈司さんとは反対側から、甘い声でささやくのが黒子ファイブ３号ちゃんの朝霧モニカちゃん。




「フン・・・・どうせ、凛道は瑞希がイイのだろう。それゆえ、競争でも手心を加えてやっただけだ。乗せる順番も、番号通りにしてやったのも、公平にするためだ。感謝しろよ、凛道？」




背後から、とてもためになるお言葉を言うのが、黒子ファイブ４号さんの獅子島伊織さん。




「わはははははは！一番最後は気に喰わねぇーが、『優勝の美』を飾るってんならいいか！？なぁ、凛助！？」


「それを言うなら、『有終の美』です、百鬼さん。」




前方で走る黒子ファイブ５号こと百鬼皇助に、修正も込めたツッコミを入れた。