彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「俺達が責任もって、凛をヤンキーデビューさせてやる!!」


「ヤンキーデビュー!?」


「『お披露目日』までには、バッチリ一人前にするからな!?全部俺らに任せとけ!わかったか、4代目総長・凛道蓮~?」



気持ち良いくらいさわやかに言われ、全員から祝福される。



「わっはっはっ!!久々のゾッキー活動!!子育ての名目で、やりたい放・・・じゃなくて、喧嘩の極意を叩き込めるぅ~!お手本と言って、馬鹿共を叩き潰せる、殴り倒せるっ!わはははは!!」

「百鬼さん!?」


「ホホホ!凛ちゃ~ん、モニカちゃんがダサくないヤンキースタイルに凸(でこ)ってあげるぅ~だから、男女差別を、徳のオネェを迫害する輩はしっかり凹(ぼこ)るのよ~!?これぞまさに、凹凸(おうとつ)教育っー♪」

「モニカちゃん!?」


「凛道、人を見たらまず疑うことを常と思え。心身ともにとどめを刺して再起不能にするこそが、思いやりのある喧嘩だ。詳しくはこれから指導しよう。」

「獅子島さん!?」


「お前ら、テメーの欲望を凛たんに押しつけすぎだぞ!?気にするな、凛たん。俺はそれほど難しいことは言わねぇ・・・。俺がオメーに教えるのは、『有言実行可能』なこと・・・つまり『できることだけど、口にしろ。』ってことだけだ。さっきみたいに、殺さないなら、殺すって言うなよ。殺人なんてしちゃダメだからな?今度からはきちんと、『半殺しにする』って言うんだぞ~?」

「れ、烈司さーん!?」


(何怖いこと言ってんの!?)




「オメーら全員、恐ろしいわ!!」






あまりの過激発言に、私だけでなく瑞希お兄ちゃんも非難する。



「そういうこと言うから、『龍星軍』の『悪レンジャー隊』って、言われ続けたんだろうが!?」

「戦隊もの扱いだったんですか、瑞希お兄ちゃん達は!?」

「まぁな~俺がレッドで、烈司がブラックで、伊織がブルー、モニカがピンクで、皇助がホワイト。」

「ホワイト!?ホワイト役ってありなんですか??」

「ああ。皇助の場合、赤でもいいけど・・・・殴られた奴が、頭真っ白になって再起不能になるってんで、ホワイトって呼ばれてたみたいだぜ。」

「ある意味レッドよりも怖い呼び方!!」

「ぐははははは!!そうだろうーそうだろうー!?純白な俺様っ!!」

「もっとも・・・族してた頃は、名前よりは、『レッド』とか別のあだ名でしか、俺ら呼ばれなかったけどなー」

「え・・・?」



名前より、あだ名?




(あだ名が有名・・・・)




瑞希お兄ちゃんの言葉で、嫌な考えが頭に浮かぶ。



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