彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



私へと視線を向けた後で、彼らは瑞希お兄ちゃんを見る。

そのうちの一人が言った。





「瑞希が決めたことに、俺は文句ねぇから。」






そう告げるのは、くわえ煙草をした男前のお兄さん。

さらに言葉を続けながら言う。






「元々、気まぐれのイベントだったからよぉ~実際、頭に決まった奴が俺らから見て『こいつに任せらんねぇー』ってことだったら、結果にかかわらずアウトだ。」

「同感~」

「異議なし。」

「わはははは!そうなるなー!」




男前の言葉に同意する綺麗なお兄さんと眼鏡のお兄さんと百鬼という名のお兄さん。






「決まったな。」





それを受け、お兄さん達1人1人を見てから瑞希お兄ちゃんは言った。

この場にいる全員に向けて声を発した。










「そういうわけだから、オメーら!!今夜はこれで終わりだ!!後継者問題も終了!!」


「「「「ええええええ!?」」」」


「??」








瑞希お兄ちゃんの言葉に、円城寺君はもちろん、他のヤンキー達も声を荒げて驚く。

どの人の表情もひきつっていて、困ってるように見えた。

円城寺君達はまだ驚いてるだけだけど、ほとんどがショックを受けてるみたいな顔だった。







(何が起きたの・・・・?)





意味がわからず首をかしげるしかない私。






「じゃあ、お前ら!適当に散りな!」







シラケたような半目で言うと、瑞希お兄ちゃんは百鬼達4人を見る。







「おい、オメーら!後始末頼むぞ!」






そう告げると、テキパキと指示を出した。





「まずは、円城寺だな。速攻で『医者』に見せる。」

「車で運ぶか?」




聞いてきたのは眼鏡のお兄さん。

これに瑞希お兄ちゃんは首を横にふる。




「ダメだ。今夜はポリも検問張ってる。目立つなりで『病院』に連れて行けるか。」

「じゃあ、呼び出しか。ならば、俺だな。」

「おう、頼むぞ。」


「羅漢はどうすんの?そっちは病院の前に捨ててくればいいんじゃない?」




運転席でニコニコしながら聞く綺麗なお兄さん。

瑞希お兄ちゃんは、その問いに一瞬顔をしかめてから言った。





「俺らが羅漢の連中を面倒見る義理はねぇ。勝手にテメーらで行けばいいだろう?」





冷たく吐き捨てるように言い放つ。






(え?見捨てた・・・?)






部外者の私でさえ、そう思ってしまうぐらいの態度。

それは、羅漢のメンバーにも伝わっていた。


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