彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



瑞希お兄ちゃんに再会できた日。

真っ赤なオープンカーの後部座席に、瑞希お兄ちゃんと並んで乗った。

運転するのは綺麗なお兄さんで、その隣には男前のお兄さんがいた。

2人ともミラー越しに私をチラ見しているので、すごく気まずかった。



(・・・そんなにおかしな服装かな・・・?)



懸賞で当てた服を気にしながら、隣に座る人を目だけで見る。




風で揺れる髪。

時々照らされるライトに浮かび上がる白い肌。



(ああ・・・!)



間違いない。



本物♪




(瑞希お兄ちゃんだ・・・!)



6年前、私を助けてくれたヤンキーのお兄ちゃん。

ご本人が今、私の真横にいる。

美形のお兄さんが運転するオープンカーの後部座席、愛しの瑞希お兄ちゃんとツーショットで座っている。



人生、どうなるかわからない。




ひょんなことで、怪我した男の子を助けた。

断り切れなくて決戦場所に運んだら、その子の代わりにタイマンしろと決闘を命じられた。

断ってもめていたら、瑞希お兄ちゃんから貸してもらっていたブレスレットを対戦相手に壊された。


それに怒って、怒って、我を忘れて殴ったら・・・





「タイマンは、お前の勝ちだ。」


(瑞希お兄ちゃん!!?)




探し求めていた瑞希お兄ちゃんが現れた。

それで悔し泣きが、嬉し泣きに変わる。

後は、瑞希お兄ちゃんに言われるまま、こうやってついてきたの♪





「もうすぐつくからな~?」




そう言って、前から声をかけてきたのが男前のお兄さん。

ずっとタバコを吸っているので、ヘビースモーカーなのかな?と思う。



「ついたらお茶しよ♪」



その隣で機嫌良く言うのが、綺麗なお兄さんん。

一番おしゃれな姿をしていて、モデルみたいな人。



(まぁ、瑞希お兄ちゃんが一番きれいだけどね。)


あと、可愛くて、カッコイイー!!





あ、そうそう!

実はね、瑞希お兄ちゃん達以外にも、お兄さんがいたんだよ!

あと2人、お兄さんがいた。

でも彼らは、今この場にはいない。

2人共、瑞希お兄ちゃんの指令でいなくなっちゃったの。


1人は、眼鏡をかけたお兄さん。

円城寺君達3人を連れてカンナさんを探しいに行った。

お医者さんを呼んで、円城寺君達の怪我の治療もさせるんだって。


もう一匹・・・もう一人は大柄のお兄さん、唯一名前が判明している百鬼(ももき)って人。

あの人は、タイマン会場になった工場跡地に残ってる。

後始末、後片付け係りらしいけど・・・





(「現場を仕切る!」と言って、やる気ならぬ、殺る気満々だったのが気になって怖い・・・)



どうなったんだろうね〜?



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