幼馴染みはイジワル課長
両親に何度も頭を下げて言う碧は、玄関から出ていこうとする。






「そこまで送るよ。酔い覚ましにな」


お父さんは嬉しそうに笑い、碧と一緒に外に出て行った。



ちょっと…

私が見送りたかったのに…

お父さんに先を越されたよ。



碧にバイバイも言えなかった私は、玄関で靴を脱ぎトボトボと家の中に入った。






「お風呂入りないよ」

「…うん」


お母さんはそう言ってリビングに戻ると、またパックの続きをしているようだった。

私はすぐにお風呂に入り、ぬるめのシャワーに打たれた。



こうやって碧と離れると、一気に不安に襲われる…



私達は本当に付き合ってるんだよね?


そんなことばかり考えてしまう。

一緒にいないだけで、なんでこんなふうになっちゃうの…







パタン…


お風呂から出てバスルームのドアを閉めリビングに行くと、お父さんがソファーでうたた寝をしている。




碧のこと聞きたいけど…変に聞いたら勘ぐられるかな。

今は私達が付き合ってること内緒なんだよね…




私はキッチンに行き冷蔵庫を開けミネラルウォーターを出して、お母さんに一言声をかけたあと自分の部屋に入った。

エアコンをつけて水を飲み、ベットに横になるとスマホに手を伸ばす。







あ…





すると、碧からLINEが来ていた。









碧{明日の夜。外で飯食うか






決して丁寧でも長くもないその文章を見て、私は嬉しくてスマホに顔を埋める。





こんな些細なメールなのに、私にとってはとても大きなことに感じる…

さっきの別れ際に声を交わすことが出来なかったことも、今はもう忘れてしまっていた。





うん!

行きたいところ考えとくね!おやすみなさい(ρω*)ノ~



私は碧にそうLINEをして、ベットに寝そべって天井を眺めながら碧のことを考えていた。






さっきまで碧と一緒にいたのに、また会いたくて会いたくてたまらなくなる。

なんだかもう何日も碧に会ってないみたい…



さっき碧と交わした会話とか、今はあんまり覚えてないな…

楽しくてすごくドキドキしたってことしか覚えてないよ…








早く明日にならないかな…


明日はまた会社だけど…いつもとはまた違うから…





早く会いたい…



碧に会いたいよ…
< 72 / 127 >

この作品をシェア

pagetop