幼馴染みはイジワル課長
「なんだ…言っててくれば良かったのに。私も手伝うよ」

「え!本当ですか!?」


山川さんて本当に優しい。私にとっては天使のような方だ!






「半分受け持つよ。じゃあ私は入荷もれチェックと…明日のFAX注文やっとくから、澤村さんはデータと売上金額の照合の方をお願いしてもいい?」

「はい!わかりました!本当にありがとうございますっ」


何度も頭を下げる私を見て、山川さんはニコッと笑い「頑張ろうね」と言って自分のデスクに戻った。

私は気合いを入れ直したあとデスクに腰掛け、仕事を再開させ驚くほどの集中力で仕事を片付けた。










つ、疲れた…


退社時間10分前。本日私に任された仕事が全て終了…

私はデスクにうつぶせになり、一気に来る疲れを体全体に受けている。すごく疲れたけど何故か心はスッキリしていて、やり切った達成感があった。



ギリギリだったけど終わったぁ…

これで今夜はデートに行けるよ…





体を起こして「うーん…」と伸びながら、ふと目が行くのは歩未ちゃんと部長のデスク。

あれからかれこれ5時間は経ったけど…病院に行った2人はまだ戻って来なかった。

何かあったんじゃないかと思ったけれど、そしたら部長から連絡が来るはずだから…今はとりあえず待つしかないか。





あれ…?



隣の歩未ちゃんのデスクに目をやると、椅子の上に資料のファイルが何冊か積んで置いてあることに気がついた。



歩未ちゃんが午前中に使ってた資料かな…

これ戻さないとね。気づいて良かった…



私はその資料を持って、重い体を引きずりながら資料室へ向かった。








「ふあー…」


資料室に入るとなんだか気が抜けてしまい、大きなあくびが出てしまう。



昨日寝たの遅かったし、今朝は起きるの早かったから眠いなぁ…

でも碧と一緒にいると眠気なんか吹っ飛ぶんだよね。不思議だな…
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