カラダだけの関係~冷血上司の惑わしの束縛~
「善意ですか・・・」


千束は俺に微笑み掛ける。


「なぁ?千束」


「部長?」


「お前の誕生日、どうしても祝いたい。ダメか?」


「部長…」


千束の澄んだ瞳に困惑の色は見えた。


「ダメならいい。下がれ」


「失礼します」
俺が千束を追い出した形になった。


千束は祝って欲しくないと言ってるのに。どうしても彼女の誕生日を祝いたかった。でも、困惑する千束を見ていると、我を通すコトは出来なかった。


誰ならいいんだ!?


薬指のリングの相手か?


特定の男は作らないと言ったはずだ。

千束は俺を誘った女。俺よりも男女の駆け引きは上手いかもしれない。

俺の知らない千束が存在するんだ。

俺はデスクに八つ当たりするように拳で叩く。













< 42 / 64 >

この作品をシェア

pagetop