此音忌譚 ―コノオトキタン―



 摘んだ音色は手放した命。

 無音の刻は、この命尽きる刻。


 それなのに、何故、手放し切れぬのに他の音をこの耳は拾うのか。

 暖かい様な。

 懐かしい様な。

 抱き締め、そっと、癒し癒されたい様な。



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